太平洋戦争の時に F22 1機と無人補給飛行機を持っていたら世界征服は可能なのか
2ちゃんねるのまとめを見ていたら目にとまったのでF-22について少し
F-22
最近は割と耳にする戦闘機ですよね。自衛隊の次期主力戦闘機F-Xの選定においてもかなり初期の段階から最有力候補として挙がっていたり、沖縄に世界で初めてアメリカ国外への展開が行われたりと、わりかしマスコミの露出も多いので、一般人にも比較的知られている戦闘機です。(他にもフライト物のゲームでは主役機or最強戦闘機で登場したり、実写版トランスフォーマーではスタースクリームという凶悪な悪役として登場したり)
まあ、なんでこのF-22がこんなに話題に上がるのかと言えば、現状において性能が分かっている戦闘機としては「世界最強の戦闘機」だからなのです
F-22は、ロッキード・マーチン社とボーイング社が共同開発したステルス戦闘機で、「制空支配戦闘機」といういかにもなメーカーのキャッチフレーズが付けられています
最新鋭戦闘機なわけですが、その歴史は意外と古く、その開発計画は1985年に遡ります。当時、アメリカ軍はF-15の後継となるべきATF(先進戦術戦闘機)の採用計画において、数あるコンセプトデザインの中からロッキード社(当時)とノノースロップ社(現ノースロップ・グラマン社)の案を採用し、実機の開発を要求しました。
その結果、ロッキード社はYF-22を、ノースロップ社はYF-23を開発し、採用トライアルに提出したのでした。
トライアルの結果、二機の性能はほぼ互角(どちらかというと革新的な設計をとるYF-23の方がステルス性と航続距離、速度の面で勝っていた)でしたが、従来のノウハウから生まれた堅実な設計のYF-22の方が信頼性と整備性、生産性にすぐれるとして、1991年に採用を決定したのでした
採用が決定したロッキード社は、量産機の開発を開始。単座型(F-22A)と複座型(F-22B)を開発していましたが、複座型は後に開発中止となっています。
F-22の外見的な特徴と言えば、そのステルス性能の高めるための精錬された平面整列設計であります。

2009年横田基地フレンドシップデーにて
武装類は機関砲を含めて全て機内に格納されており、使用する時だけ収納ハッチを開いて発射します
ただそれゆえに搭載できる武装の数は少なめという欠点もあります
まあ武装は内蔵しかできないのかといえばそんなこともなく、主翼にはちゃんとハードポイントが設けられており、必要に応じて各種装備がつりさげられるようになっています(当然ステルス性は損なわれますが)

2010年横田基地フレンドシップデーにて。平時に移動などで長距離飛行を行う場合はこのようにドロップタンクを外付けする
また、形状面以外でもステルス性は考慮されており、F-22はアフターバーナーを使用せずに長時間の超音速飛行が可能な、いわゆる「スーパークルーズ」が実現しています。
なぜこの「スーパークルーズ」がステルス性に有利なのかというと、アフターバーナーを使用するとノズルから膨大な熱量が発生し(一度燃焼して排出された不完全燃焼の気化した燃料をノズル内で再度点火するため)、この熱が熱探知レーダーにとらえられてしまうからで、機体構造におけるステルス性能を完璧にしても結局こういった点でステルス性が失われては意味がないわけです。
まだスーパークルーズの実現が不可能だった時代に登場したステルス攻撃機のF-117Aはこの問題を解決するために敢えてアフターバーナーは採用していません。
F-117Aは攻撃機だったからまだよかったものの、当のF-22は、F-15の後継として、あらゆる戦闘機に勝てる「戦闘機」として開発されており、近代戦闘機の常識たる「超音速飛行」がなければとてもじゃないがその目標にはたどりつけない。当然ステルス性も維持したまま実現するにはこの「スーパークルーズ」しかなかったわけです
よって強力なエンジンの搭載はもちろんのこと、推力偏向ノズル、所謂「ベクタードノズル」が採用されているのも大きな特徴です。
これらの技術の投入により、F-22のステルス性能は恐ろしいもので、素の状態で飛行していると自然にステルス状態なので、普段飛行するときは逆に「レーダーに発見してもらう」ための部品を取り付けて飛行したりするそうです
さて、そんな完全無欠なですが、量産型のロールアウトは1997年のこと。この時点で既に開発費も高騰し、米軍の配備予定数も当初の750機から451機へと縮小されています。(開発費の高騰は近年の各国新型戦闘機開発における悪い癖です)
アメリカ軍では2003年から配備が始まり、実戦部隊運用は2005年。そしてこれと並行して配備予定数はさらに縮小され、最終的に197機となっています。
F-22は買うだけでもお高い戦闘機なのに、ステルス機故に整備にもお金がかかります。また、そのデリケートさから軍による整備も難しく、場合によってはメーカーの整備を受ける必要もあるなど、その運用費は計り知れないといわれています。
去年あたりにコクピット内になぜかエンジンの排気ガスが流入するという(構造上の欠陥かもしれない)わけのわからない問題も発生したようですが、そんなF-22は2012年には早くも生産が終了し、米軍への納入も終了。
その価格、運用コスト、とてもじゃないが日本のF-Xには高嶺の花だったわけです。AH-64D程度で高いから十数機で調達中止するような日本じゃF-22なんてそもそも無理がある上に、アメリカは自衛隊の機密保持力に対する不信感から、自衛隊の採用は一切認めませんでした(一応対日輸出用のモンキーモデルはあったみたいですが)
まあよくよく考えてみればF-22を採用してどうするつもりだったんだろうかとも思う。そりゃ十機ほど配備しただけでも中国やロシアに対する抑止力に関していえば相当なものでしょうが、実用面で考えると宝の持ち腐れであることはまず間違いないことだと思います。そもそもこういうハイテク戦闘機ってバックアップと両立出来て初めて真価が発揮されるんじゃなかろーか
そ、そりゃあ、純粋な軍オタ視点で見れば仮に採用されていたらそれはそれでお祭りでしょうが・・・・・
結局F-22は性能、コスト、運用思想の全てがアメリカンなんじゃないのか~
余談ですが、最強戦闘機として名を馳せるF-22ですが、実は過去に何度か模擬戦で「撃墜」されたことがあるらしいです
EA-18Gの長距離ミサイルに落とされたり、F/A-18Eに機関砲で撃墜されたりしていますが、特に目を引くのは「戦闘機じゃなくて練習機」のT-38に格闘戦で撃墜されたというもの。どーいうことだっ
カタログスペック的にはあり得ない結果なので、T-38のパイロットがすごいベテランだったか、F-22のパイロットがルーキーだったのかは分かりませんが、いずれにせよあんまり信じたくないです
ちなみにF-22が沖縄に一時展開した時に自衛隊とも空中模擬戦を行っていますが結果は公表されていないようです。
2ちゃんねるのまとめを見ていたら目にとまったのでF-22について少し
F-22
最近は割と耳にする戦闘機ですよね。自衛隊の次期主力戦闘機F-Xの選定においてもかなり初期の段階から最有力候補として挙がっていたり、沖縄に世界で初めてアメリカ国外への展開が行われたりと、わりかしマスコミの露出も多いので、一般人にも比較的知られている戦闘機です。(他にもフライト物のゲームでは主役機or最強戦闘機で登場したり、実写版トランスフォーマーではスタースクリームという凶悪な悪役として登場したり)
まあ、なんでこのF-22がこんなに話題に上がるのかと言えば、現状において性能が分かっている戦闘機としては「世界最強の戦闘機」だからなのです
F-22は、ロッキード・マーチン社とボーイング社が共同開発したステルス戦闘機で、「制空支配戦闘機」といういかにもなメーカーのキャッチフレーズが付けられています
最新鋭戦闘機なわけですが、その歴史は意外と古く、その開発計画は1985年に遡ります。当時、アメリカ軍はF-15の後継となるべきATF(先進戦術戦闘機)の採用計画において、数あるコンセプトデザインの中からロッキード社(当時)とノノースロップ社(現ノースロップ・グラマン社)の案を採用し、実機の開発を要求しました。
その結果、ロッキード社はYF-22を、ノースロップ社はYF-23を開発し、採用トライアルに提出したのでした。
トライアルの結果、二機の性能はほぼ互角(どちらかというと革新的な設計をとるYF-23の方がステルス性と航続距離、速度の面で勝っていた)でしたが、従来のノウハウから生まれた堅実な設計のYF-22の方が信頼性と整備性、生産性にすぐれるとして、1991年に採用を決定したのでした
採用が決定したロッキード社は、量産機の開発を開始。単座型(F-22A)と複座型(F-22B)を開発していましたが、複座型は後に開発中止となっています。
F-22の外見的な特徴と言えば、そのステルス性能の高めるための精錬された平面整列設計であります。

2009年横田基地フレンドシップデーにて
武装類は機関砲を含めて全て機内に格納されており、使用する時だけ収納ハッチを開いて発射します
ただそれゆえに搭載できる武装の数は少なめという欠点もあります
まあ武装は内蔵しかできないのかといえばそんなこともなく、主翼にはちゃんとハードポイントが設けられており、必要に応じて各種装備がつりさげられるようになっています(当然ステルス性は損なわれますが)

2010年横田基地フレンドシップデーにて。平時に移動などで長距離飛行を行う場合はこのようにドロップタンクを外付けする
また、形状面以外でもステルス性は考慮されており、F-22はアフターバーナーを使用せずに長時間の超音速飛行が可能な、いわゆる「スーパークルーズ」が実現しています。
なぜこの「スーパークルーズ」がステルス性に有利なのかというと、アフターバーナーを使用するとノズルから膨大な熱量が発生し(一度燃焼して排出された不完全燃焼の気化した燃料をノズル内で再度点火するため)、この熱が熱探知レーダーにとらえられてしまうからで、機体構造におけるステルス性能を完璧にしても結局こういった点でステルス性が失われては意味がないわけです。
まだスーパークルーズの実現が不可能だった時代に登場したステルス攻撃機のF-117Aはこの問題を解決するために敢えてアフターバーナーは採用していません。
F-117Aは攻撃機だったからまだよかったものの、当のF-22は、F-15の後継として、あらゆる戦闘機に勝てる「戦闘機」として開発されており、近代戦闘機の常識たる「超音速飛行」がなければとてもじゃないがその目標にはたどりつけない。当然ステルス性も維持したまま実現するにはこの「スーパークルーズ」しかなかったわけです
よって強力なエンジンの搭載はもちろんのこと、推力偏向ノズル、所謂「ベクタードノズル」が採用されているのも大きな特徴です。
これらの技術の投入により、F-22のステルス性能は恐ろしいもので、素の状態で飛行していると自然にステルス状態なので、普段飛行するときは逆に「レーダーに発見してもらう」ための部品を取り付けて飛行したりするそうです
さて、そんな完全無欠なですが、量産型のロールアウトは1997年のこと。この時点で既に開発費も高騰し、米軍の配備予定数も当初の750機から451機へと縮小されています。(開発費の高騰は近年の各国新型戦闘機開発における悪い癖です)
アメリカ軍では2003年から配備が始まり、実戦部隊運用は2005年。そしてこれと並行して配備予定数はさらに縮小され、最終的に197機となっています。
F-22は買うだけでもお高い戦闘機なのに、ステルス機故に整備にもお金がかかります。また、そのデリケートさから軍による整備も難しく、場合によってはメーカーの整備を受ける必要もあるなど、その運用費は計り知れないといわれています。
去年あたりにコクピット内になぜかエンジンの排気ガスが流入するという(構造上の欠陥かもしれない)わけのわからない問題も発生したようですが、そんなF-22は2012年には早くも生産が終了し、米軍への納入も終了。
その価格、運用コスト、とてもじゃないが日本のF-Xには高嶺の花だったわけです。AH-64D程度で高いから十数機で調達中止するような日本じゃF-22なんてそもそも無理がある上に、アメリカは自衛隊の機密保持力に対する不信感から、自衛隊の採用は一切認めませんでした(一応対日輸出用のモンキーモデルはあったみたいですが)
まあよくよく考えてみればF-22を採用してどうするつもりだったんだろうかとも思う。そりゃ十機ほど配備しただけでも中国やロシアに対する抑止力に関していえば相当なものでしょうが、実用面で考えると宝の持ち腐れであることはまず間違いないことだと思います。そもそもこういうハイテク戦闘機ってバックアップと両立出来て初めて真価が発揮されるんじゃなかろーか
そ、そりゃあ、純粋な軍オタ視点で見れば仮に採用されていたらそれはそれでお祭りでしょうが・・・・・
結局F-22は性能、コスト、運用思想の全てがアメリカンなんじゃないのか~
余談ですが、最強戦闘機として名を馳せるF-22ですが、実は過去に何度か模擬戦で「撃墜」されたことがあるらしいです
EA-18Gの長距離ミサイルに落とされたり、F/A-18Eに機関砲で撃墜されたりしていますが、特に目を引くのは「戦闘機じゃなくて練習機」のT-38に格闘戦で撃墜されたというもの。どーいうことだっ
カタログスペック的にはあり得ない結果なので、T-38のパイロットがすごいベテランだったか、F-22のパイロットがルーキーだったのかは分かりませんが、いずれにせよあんまり信じたくないです
ちなみにF-22が沖縄に一時展開した時に自衛隊とも空中模擬戦を行っていますが結果は公表されていないようです。
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